「プラスチック金型 」カテゴリ記事一覧


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金型を安く作るには?

金型を安く作るにはどうしたら良いでしょうか?
安い金型とは、要求機能・品質に対してコスト・パフォーマンスの最も優れている
金型のことを指します。

そして、重要なことは金型の価格、品質は、金型設計段階で90%以上決定してし
まうということです。


良い品質の金型を安く作るには、金型そのものの構造、精度、メンテナンス性、量
産効率性、寿命などの要素を設計段階から検討します。そして、要求される機能・
品質と、ランニングコストも含めたトータルコストとのバランスを取り、もっとも効率の
良い金型を作ることが必要です。

■中国国際金型団地
広東省深セン市・東莞市、浙江省台州市・寧波市、江蘇省蘇州市は中国有数の
金型産地です。その中で蘇州市の行政圏に含まれる昆山市の金型の生産は中国
全体の10%を占めています。昆山市は、昆山国際金型団地の整備を進めており、
団地内、団地周辺も含めて、金型製造、金型部品、金型設備、鋼材などを扱う企
業や卸売業が集積する一大金型産地を形成しています。

金型製造企業は、この集積内でほとんどの金型部品、金型材料を調達することが
できるようになっています。当然材料や部品を扱う業者間では競争原理が働き、
安くてより品質のよい商品を扱わなければ死活問題となってきます。また、金型製
造企業は、お客様からの要求レベルに添って部品や材料を選択することが求め
られます。

■中国ローカル企業の試み
では、実際どのようにして安い金型作りを目指しているのか、日系自動車部品メー
カーに金型を納入している、昆山市のあるローカル金型製造企業にスポットを当て
てみます。この会社のオーナーは、日本に留学し、その後も日本の金型会社に入
社、17年間日本での生活を経験しており、日本的なモノ作りのスタイルを身につけ
ています。

彼は、2009年に昆山市に金型製作会社を設立し現在に至っています。彼が目指す
ところは、昆山市の金型集積のメリットを生かし、日系企業よりも日本的な考えで
金型を提供することです。実際に、部品や材料の業者と渡り合って、より安くて品
質の良いモノを調達できるのは、彼のような中国人でなければ不可能なワザなの
です。

■金型コストの実際
金型を安く作る秘策などはあり得ません。金型作りの経験・実績から性能、品質な
どのバランスをとり、構造を決め、鋼材・部品を選定、加工方法等を地道に研究し
実績を積み上げていくしか方法はありません。

では、実際日本で製作する金型に比べ、中国ではどれくらい安く作れるか試算し
てみます。
日本の工場で材料費350万円、加工費350万円、外注加工費150万円、利益150
万円、合計1000万円の金型を中国で作った場合、一体いくらでできるでしょうか?
寿命は50万ショット以上、やや複雑な形状、精度の高いOA機器の大型部品と想定
します。そして、品質・性能レベルを以下の3段階に設定します。

H ・・・ 品質、性能は十分なレベル
M ・・・ メンテナンス併用により品質、性能を達成できるレベル
L ・・・ メンテナンス併用するが品質、性能は劣るレベル

■Hレベル 材料費:350+加工費:245+外注費:105+利益:120=合計:820
 条件:材料・部品は日本から輸入するので価格は変わらない。加工費、外注費
 は人件費の分安くなる
■Mレベル 材料費:280+加工費:245+外注費:105+利益:100=合計:730 
 条件:材料、部品は中国国内製を使用する
■Lレベル 材料費:175+加工費:200+外注費:75+利益:80=合計:530
 条件:材料、部品は中国の安いモノを使用する。外注も一番安いところを使う。

結論として精度を要求される1000万円の金型は、中国では820万円~730万円で製
作可能です。
おそらくLレベルの530万円の金型は要求性能からいって使い物にならないと思われ
ます。ただ、これはあくまでも一つの例であって、金型構造、加工方法の見直し、部
品点数の削減によっても価格は下げられる余地があると思われます。
中国金型は一概に安くなる,ならないと言うのではなく、それぞれのケースによって、
価格を分析し最適な金型を検討していく必要があるのではないでしょうか?
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プラスチック金型の耐久性、保証ショット数

プラスチック金型の耐久性、保証ショット数 について解説します。

プラスチック金型の見積りをする際、保証ショット数の明記を求められる場合があ
ります。この場合、一般的な数字はあるでしょうか?

例えば、以下のような一般的な目安の値を使用することがあります。
 ガラス無し樹脂→プリハードン鋼入子型=30万ショット
 ガラス有り樹脂→プリハードン鋼入子型=10万ショット以下
 ガラス無し樹脂→焼き入れ戻し鋼入子型=50万ショット
 ガラス有り樹脂→焼き入れ戻し鋼入子型=30万ショット以下

ただ、この保証ショット数は実績が性格に把握できていないのが実情で、また単純
に量産生産数だけで保証数を定義しても意味がありません。

成形加工時には量産カウント前に慣らし射ちで、かなりのショット数が発生します
が、カウントはされていません。

もちろん、成形加工中のミスショットによるPL潰れやコア破損やカジリなどの事故
が発生し型修理を行ったた後は見積り段階で設定した保証ショット数も曖昧なもの
になってしまいます。

見積り段階での保証ショット数とは、成形工程で全く故障も無く、また量産開始前
後に発生する設計変更による型改造も行われず定期的にメンテナンスが最後ま
で遂行され、良い状態で型が管理された場合の話です。

そんな完璧な状態で保証ショット数を完了する型は、事実上皆無に等しいでしょう。

プレス金型を作る上での金型の耐久性の考え方も共通している部分があり、保証
ショット数を提示することはなかなか難しいと思います。
言ってみれば、いくらなんでもこれぐらいは加工できなければ困るという数字であっ
て、算出根拠はあまり厳密ではありません。

とは言え、金型を作る側としては何も考えないで材料を選んでいるわけではなく、
金型予算を考え、金型屋としての良心のもとに、最良の材料を選定しているのです。

実際に、お客様に対する保証は、なにがしかのトラブルが発生した場合にどうする
か?のほうが重要ポイントになります。

そのトラブルの状況により、金型に起因するのか、使用(保管)状況によるのか
どうか?によって、保証するのかそれとも有償修理するのかを取決めします。

微妙なところがあり、将来お金が絡んでくる問題でもあるため、できれば取引契約
に入れておく配慮も必要になります。特に、海外との金型取引では、契約は必須と
なります。

大切な金型のメンテナンス

金型は、メンテナンスして初めて機能を発揮します。
成形工場で成形機の稼働していない時間の原因を調査したところ、金型の故障
が最も多かったという調査結果があります。

PPSやPOMなどは特にガスの発生が多いので頻繁にメンテナンスが必要です。
また長い間成形していると、スライドのレール部分、水穴の錆、ガスが逃げ込む
場所の損傷など・・・様々な箇所が様々な理由で劣化してきます。

金型は、毎回500Kg/cm2程度の圧力が金型の内側にかかっており、尚且つ200
~300℃程度の樹脂を1分に1~4回程度プレスし続けている訳ですから、壊れな
いのが不思議なくらいです。

金型の初期費用をケチると、冷却不足や鋼材不良、スライドレール無し等であと
から費用が発生ししたり、すぐに寿命が来たり返って高くなってしまったりという
事態に陥ります。

良い製品図と良い材料選択、そして良い金型+アフターメンテナンス性のバランス
を取ることが必要になってきます。

金型の故障の原因は、大きく分けると4項目に分類されます。
(1)金型の設計不良
(2)金型の加工精度不良
(3)金型の摩耗・腐食
(4)金型使用時の操作の誤り

このうち、(1)(2)あってはならない項目です。

また、金型設計時には、メンテナンスの事も考慮した設計が必要です。
分解しやすいように分解用孔を設けたり、フックボルト用ねじを設ける、組み込み
補助用ねじ孔を設けるなど工夫します。
また、コア類がばらばらにならないようにフレームブロック構造としたり、キーで固
定する構造も有効です。コアピン類の配置番号を刻印したり、方向性を一定にす
るためにツバカットを工夫することもしばしば採用されます。

プラスチック金型のメンテナンスが必要になる原因のひとつが成形時に発生する
ガスが液化し、金型へ付着することです。
使用する樹脂や形状に応じて最適なエアベントやエア溝を設置しガス抜き効率を
実現する構造を取ります。このガス抜き技術が金型のロングライフを実現すること
になります。

通常、金型メンテナンスというと(3)を対象にしています。
(4)は人為的な型傷で、10万ショットもすれば、何かが起きる可能性がありますが
これを防ぐには、硬い鋼材を使用するのが最も効果があります。

いずれの場合でも、故障が起きたときは、ただちに修理しなければならず、先延ば
しするとさらに重大な結果を招くことになります。

金型のメンテナンスでは、工場によっては、メンテナンスとオーバーホールの言葉
を区別します。メンテナンスとは、金型を分解しないで行う整備を言い、例えば2週
間に1回、生産計画に入れて、定期的に行います。

オーバーホールとは、金型を分解して行う整備を言い、例えば4カ月に1回、生産
計画に入れて、定期的に行うものです。
方法としては、金型を分解し、それぞれのパーツを超音波洗浄したり有機溶剤で
洗浄し、錆びている部分を磨いたりめっきしたりします。磨耗が激しい部分は、入
れ子修正したり、部品交換を行います。

メンテナンスの頻度は、成形品の品質管理状況や金型の大きさによってまちまち
です。短い周期の金型では数日に1回、長い周期の金型でも2か月に1回程度は
メンテナンスが必要です。

簡単な補修は、成形現場でできる能力をつけることです。
そして、それには金型のメンテナンスのために、詳細なマニュアルを作成すること
です。

大きな異常があってから修理するのでは多大な時間と費用がかかります。日常の
整備をしていれば、わずかな異常にも気がつくようになり、大事に至らないうちに
修理することができます。

また、メンテナンスを効率的に行うためには、工具類、道具類の工夫が重要です。
洗浄用ブラシ、分解工具、木製工具、布製治具、バフ、サンドペーパー類、磨き
クリーム、ラップ剤、特製割り箸、竹へら、竹櫛、エアーツール、クレーン補助具
Zライト、ルーペなどを準備します。

作業台は作業しやすいように改善します。
作業しやすいテーブル高さ、歩行スペース、クレーン配置、エアガン配置等を工夫
します。図面を広げるテーブルやホワイトボード、デジカメ、ビデオカメラの活用も
有効です。

プラスチック射出成形不良の原因と対策

金型が完成し、いざトライの段階になると、毎回のように様々なトラブル
が発生し、その対策に追われてしまいます。

できるなら、成形品設計から金型設計・製作および成形までの全工程の
事前検討で、要求品質の成形品を予定どおりのサイクル、予測どおりの
成形条件で、1 回の成形で得ることができれば理想的なのですが、現実
はなかなか難しいものです。

本解説では、総合的な見地から成形不良対策について考察し、理論的、
具体的にその対策を考えてみたいと思います。

1.ヒケ
(1)現象
 成形物表面の凹み変形。

(2)発生メカニズム
 溶融材料がキャビティ内で冷却され体積収縮をおこす際、その収縮部分
に相当する材料が補充圧入されていないため起る、または冷却時の収縮の
不均一による発生する。

(3)対策
 成形条件;
 ・キャビティ内への材料圧入圧力を増加する
 ・1ショットの材料が供給量不足にならない様適量を供給する
 ・シリンダー温度を下げ、溶融材料冷却固化時の収縮過大を防止する
 ・金型温度を調整し、低すぎ、または高すぎをなくす
 ・冷却不測の場合は、金型温度の低下または冷却時間を延長する
 金型;
 ・ゲート、スプルー、ランナーが細過ぎる場合は広げる
 ・成形物の肉厚の変化のある場合は肉厚部にゲートをつけるようにする

2.バリ
(1)現象
 パーティングに樹脂が流れ込む現象

(2)発生メカニズム
 型締圧が射出圧より低くなり射出のときに金型が開く、またはパーティ
ング部に異物をはさんでいる 

(3)対策
 成形条件;
 ・射出圧力が高い場合は圧力を低くする、または射出速度を下げる
 ・型締力が不足している場合は型締力を増す
 ・材料供給量が多い場合は適正な供給量にする
 ・樹脂温度が高い場合は適当なシリンダー温度とする 

3.ウエルドライン
(1)現象
 成形物表面に生じた成形材料の融着不良現象で、樹脂の合わさり目
に線ができる。ウェルド上に穴(ショートショット)を生じる場合もある

(2)発生メカニズム
 成形材料がキャビティ内を分岐したのち再び合流するとき材料温度が低下
して完全に融合せず融着不良となる 

(3)対策
 成形条件;
 ・射出圧不足の場合は圧力を増す
 ・溶融材料がキャビティ内で冷えすぎる場合は金型温度を高める
 金型;
 ・スプルー、ランナー、ゲートにおける流動抵抗大の場合は
  ①スプルーランナー、ゲートの断面積を大きくする
  ②長さを短くする
  ③表面仕上げを滑らかにする
 ・キャビティ内のガス抜き不良の場合は、金型に充分なガス抜きをつける
  または、清掃しガス抜きを良くする
 ・成形材料のキャビティ内での分流再会合のため起きる場合は、
  ①ゲート位置を変える
  ②キャビティ構造を分流、再会合のないように変える
  ③ゲートから最も遠いウエルドのところに過冷材料の溜り
   (コールドスラッグウエル)を設ける
 材料;
 ・溶融材料のる流動性不良の場合は
  ①シリンダー温度を高める
  ②サイクルを長くする
  ③流れの良い材料に変える
 ・外部潤滑剤、離型剤の使用過多の場合は使用量を調整する

4.ショートショット
(1)現象
 材料不足により不完全形状の成形物を生ずる現象

(2)発生メカニズム
 金型内で成形材料が完全充填されないで冷却固化する

(3)対策 
 成形条件;
 ・供給材料の不足の場合は、原料供給量を適量に保つ
 ・射出圧不足の場合は、圧力を適切に保つ
 ・金型温度の低過ぎの場合は、金型温度を適切に保つ
 ・材料供給不良、ホッパーよりの落下不良をなくす
 ・スクリューへの喰い込み不良の場合シリンダー温度の勾配を適当に保つ
 金型;
 ・スプルー、ランナー、ゲートにおける抵抗大の場合、
  ①スプルー、ランナー、ゲートの断面積を増す
  ②長さを短くする
  ③表面仕上げを滑らかにする
 ・キャビティの流動抵抗大の場合
  ①ゲートの位置を変える
  ②材料の流動が良くなるように形状厚みを変える
 ・ガス抜け不良の場合、適正なガス抜きをつける
 材料;
 ・材料の流動性不良の場合
  ①シリンダー温度を上げる
  ②サイクルを長くする
  ③射出速度を増す
  ④流動性の良い材料にする 

5.クレージング・クラック
(1)現象
 成形品の表面に毛髪状の線にみえる小さい割れまたはひび

(2)発生メカニズム
 成形品の内部応力があるために経時的に発生する
  
(3)対策
 成形条件;
 ・射出圧力の過大による場合は、射出圧力を低下させる
 ・パッキング圧力の過大による場合、パッキング圧力を低下させる
 ・材料供給量の過多の場合、材料供給量を減らす
 ・金型温度の低過ぎの場合、金型温度を上げる
 ・成形物の構造上歪の生成しやすい場合、肉厚の急変およびシャー
  プなエッジをさける
 ・離型剤中の溶剤による場合離型剤の使用中止またはクレージング
  に影響のない離型剤に変える
 金型;
 ・離型不良で、特定箇所に応力が集中する場合、金型構造を変える
  または離型剤を使用する

(つづく)
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